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病気の原因

 

発病のきっかけと病気の根本的な原因について

 

さて?  人は、

「なぜ同じ病気の原因を同じように受け、あるいは健康に良くないと言われる同じような事をしつづけて、病気になる人とならない人があるのでしょうか?」「なぜ同じ程度の同じ病気の人を同じように治療して、良くなる人とならない人があるのでしょうか?」。

これは、遺伝的体質や年齢的要因もさる事ながら、免疫系や自立神経系、内分泌系などを中心とする、その人の防御システムと自然治癒力や生命力の問題が大きいと言われています。

 

たとえば「風邪の原因は?」と聞かれたら貴方ならどう答えるでしょうか?

多分、多くの人が「ウイルスが原因です」と答えると思いますが、本当にそうでしょうか?

学校や職場で他の人達と同じ様に風邪のウイルスを吸い込みながら、発病する人としない人がいます。

あるいはまた、同じように、たばこを吸い続けても、肺がんになる人とならない人があります。さらには、集団食中毒が起こっても、同じものを食べていながら、症状の出ない人がおります。

 

発病した人は、免疫系、自立神経系や内分泌系などを中心とするその人の防御システムが風邪のウイルスやたばこの煙や細菌に負けてしまった人と言う事になり、逆に発病しなかった人は、防御システムの方がそれらの病気の原因に勝った人という事になります。

 

これと同じことが風邪や肺がん以外のいろいろな病気についても言えると思います。

風邪のウイルスやタバコの煙などのように、一般的に病気の原因と考えられているものは、確かに発病の一つのきっかけにはなります。しかしそれよりもむしろそのきっかけになるものを受け入れてしまうような防御システムの乱れ、自然治癒力や生命力の低下こそが病気の本当の原因という事になります。

 

防御システムの乱れ、自然治癒力や生命力の低下の原因

 

さて、この防御システムの乱れ、自然治癒力や生命力の低下を招くものとして、

1.遺伝的体質や年齢的要因

2.個人的な姿勢の癖と運動の過不足やアンバランス

3.精神的なストレス

4.食事のアンバランスや暴飲暴食など

5.汚染された環境

6.その他

等があり、これらのものが複合的に関与したものが、色々な病気の根本的な原因と言う事になります。

 

さて、この防御システムの乱れ、自然治癒力、生命力の低下を招く原因について、もう少し詳しく見てみましょう。それぞれについて、次のようなものを、主なチェックポイントとして上げる事が出来ると思われます。

 

チェック1:遺伝的体質と年齢的要因

①遺伝的体質 -体質的弱点を強化していく、あるいは、その負担を考えた生活をする

②年齢的要因 -体力年齢を若く保つ努力をしていく

 

それぞれの人が基本的には変える事のできないこの二つの素因を持っています。それにこれから述べる以下のような基本的原因になるチェックポイントが複合的に加わり続けることによってどんどん累積され、全身に作用することで、防御システム、自然治癒力、生命力が反比例的に弱くなっていきます。

そうして、両者の力関係が逆転した時が、すなわち、きっかけさえあれば何時でも発病する状態になった時と考えられます。しかも、そのきっかけは、その人の体質的に弱い所から発現していくと考えられます。

 

チェック2:姿勢の癖、運動の過不足、アンバランス

①個人的な姿勢の癖 -正しい姿勢を意識して生活する

②運動不足や逆に過激な運動のしすぎ -適度な運動をするよう心がける

③前後左右上下のアンバランスな運動 -バランスのとれた運動をすることを考える

④仕事等で体を使う場合のように、特定の筋肉群の酷使とその他の筋肉の萎縮状態など

 -③と関連するが、バランスを考えて調整していく

 

これらの原因が続くと膝、股関節、骨盤、背骨など、関節や骨格の変形や筋肉のアンバランスな発達や筋力低下、姿勢のゆがみなどを引き起こし、様々な痛みの原因になったり、部分的な循環障害や全身の血液循環のアンバランスなどを招くことで、次々に連鎖反応を起こし、結果的に身体全体のバランスを崩す事になります。

 

チェック3:精神的なストレス

基本的には、発想の転換とプラス思考で個人の器(うつわ)の拡大を心がけることで克服する

①怒「怒りの感情」

 腹の立つ事、イライラする事、すぐ怒鳴る、「頭にきた」「魂畜生」などと表現されるようなもの

②喜「喜びの感情」

 喜怒哀楽の激変やしゃべりすぎ、はしゃぎすぎなど

③思「思いの感情」

 考えすぎ、こだわりすぎ、思い悩むような重大事や思いつめるような悲しみごとなど

④憂悲「憂い悲しみの感情」

 つい愚痴をこぼしたくなるような出来事の連続や一過性の悲しみ事など

⑤恐驚「怖れ驚きの感情」

 期限をきられたり、ノルマを架せられたり、いつも何かに追われているような被害妄想的脅迫感など

⑥精神的重圧感や過度の緊張や取り越し苦労など

⑦過酷な精神労働 -休養とリラックスに心がける

 

個人的な考え方や心構えより来る精神的なストレスとして、東洋医学では、「喜・怒・思・憂・悲・恐・驚」七つの基本感情の乱れが病気の内因として重視されています。この様な精神的なストレスが続くと間脳、視床、脳下垂体などを介して自立神経系、内分泌系、免疫系などを内から乱して生命力、自然治癒力、防御力などを低下させる大きな原因となります。

 

チェック4:食事について

①蛋白質、脂肪、炭水化物の摂取のアンバランスおよびこれら3大栄養素と微量栄養素「ビタミンやミネラル

 類の他、多くの酵素類や植物色素類など」とのアンバランス 

  -バランスを考えて摂取する。特に熱源栄養素と微量栄養素とのバランスを重視する

②残留農薬、食品添加物、防腐剤そして薬など様々な化学物質の摂取 -できるだけ避けるようにする

③野菜や果物類の摂取不足を一部のビタミンなどを摂る事によって安易に補えると考える事の危険性 

  -野菜、果物類など自然の食品を勤めて多く取るようにする

④油と塩と砂糖の取り過ぎ -控え目にする

⑤酸性食品とアルカリ性食品とのアンバランス -バランスを考える

⑥暴飲暴食 -腹8分目を守る

⑦食物の季節感の無視 -なるべく旬のものを取るようにする

⑧基本の五つの味、酸味、苦味、甘味、辛味、塩辛味の過不足 

  -薄すぎず、濃すぎず、また好みの味に偏らないようにバランスを考える

⑨お茶や汁など水分の助けをかりて流し込むような食事の仕方 

  -唾液の水分で飲み込めるまで良く噛んで食べるようにする

 

など、食事によって取り入れるこれらのものは、体の構成材料でありエネルギー源でもあります。その過不足やアンバランスが体にとって大きな影響を及ぼす事はいうまでもありません。

 

チェック5:汚染された環境

①工場廃水、家庭排水、農薬、酸性雨、塩素、ダイオキシン、そしてビルやマンションの屋上貯水槽などで汚

 染された水道水 -浄水器や活水器などを使用

②車や工場の廃棄ガスやたばこの煙などで汚された空気 -せめて居間や寝室だけでも空気清浄器を使用する

③有害な紫外線や電磁波放射線などの激増 -できるだけ避けるように対策する

④大地のエネルギーや地磁波、植物の生命力などに触れ合う機会の激減 

  -できるだけ自然を求めて郊外に出かける機会を多くしたり室内に観葉植物などを置くようにする

⑤騒音や異臭 -出来るだけ避けるように対策する

 

この様な環境汚染や環境破壊などは、そのほとんどのものが目には見えず、耳にも聞こえず、味わう事も触れることもできず、人の五感にはほとんど感じることのない所で私たちの体を蝕み続けています。

 

チェック6:その他

①サーカディアンリズムを乱すような不規則な生活 -規則正しい生活リズムを作る

②睡眠不足や逆に寝過ぎ -適度な時間と快眠に心がける

③睡眠時の明るすぎる照明 -昼間は明るく夜は暗く明暗にめりはりをつける

④目の使い過ぎ -使い過ぎたら休ませる

⑤立ち過ぎ、歩き過ぎ、座り過ぎ -使いすぎたら休ませる

⑥何か物事に熱中し過ぎた -休養とリラックスで回復させる

⑦激務の連続や過労 -休養とリラックスで回復させる

⑧締め付けすぎる衣服や合わない靴など -適宜対策をする

⑨暑さ、寒さや乾燥、湿気など -適温適湿対策をする

⑩喫煙 -できるだけ控えるようにする

 

その他にも現実からの逃避状況やネガティブな思いそのもの、そして体や心が不快感を感じるような多くの場合などがあり、いずれも大小の差はあれ健康には不都合要因として働きます。

 

以上のように病気の根本的な原因になる物としてその主なものを上げてみましたが、これらの原因の内、そのほとんどのものは、良い習慣として身につけるも悪い習慣として身につけるも自分次第です。

そして、その中で自分で選んですでに身につけてしまった自分自身の生活習慣があり、その習慣のうちで良い習慣と悪い習慣との差し引き残高が、今の自分の健康状態であり老化現象の進み具合という事になります。

 

病気の予防と治療の考え方

 

さて、病気の予防とは、まさに生活習慣の見直しであり、良い習慣の実践であることに異論のある方はいらっしゃらないでしょう。

 

すなわち、健康面で不安を感じたりあるいは体力的限界を感じ始めたりして、急遽スポーツジムに通ったり、ジョギングを始めたり、健康器具やサプリメントなどの何らかの健康法を取り入れて頑張っておられる人も多い事と思いますが、効果のほどはそう簡単には現れないものです。

あわせて、せっかくの努力もピントが合わなければ骨折り損のくたびれもうけになりかねませんし、多分のストレスをためながら一つや二つのことに100点を取って見た所で、効果の程は今一つ期待薄となるでしょう。

 

「健康が気になりだした人」「健康診断の数値に不安を感じられている人」「普段の生活環境にトータル的にマイナス点をつけている人」は、必ず「疲れやすい」「しんどい」「だるい」「肩がこる」「動悸や息切れがする」「節々が痛む」「頭痛」「腹痛」「下痢」「便秘」「食欲不振」などといった不快症状という形で何らかの警告反応があるはずです。

 

すなわち、人の体は、非常に良く出来ており、体内で起こっている不都合な状態は、必ず何らかの形で知らせてくれるようになっています(これをバイタルサイン(生体表示)と言います)。何もないのに警告ランプはつかないのです。

そして、そのシグナルを何年も何十年もの長い間にわたって見逃し、あるいは無視し続けている内に、防御システムは乱され、自然治癒力や生命力は低下し、その結果として、病気の原因に抵抗出来なくなった状態が発病と言う事になります。

 

さらに、病気になってもなお、その根源である生活態度を改めようとはせずに、注射や薬だけでその表面の症状だけを治そうとしても、本来の抗病力に手をつけないのは本末転倒と思われます。

つまり、注射や薬で苦痛を感じさせなくしたり、体内に侵入した細菌やウイルスを殺したり、あるいは手術によって悪い所を取り除くといった種々の医学的治療法も、もちろん場合によっては必要な事ですが、それらの治療法の多くのものはあくまでも対症療法的な処置であって、病気の根源である防御システムの乱れや低下した自然治癒力や生命力を回復させる方法ではないのです。

 

疲れた体を癒やしたり、細菌やウイルスに犯された部分を修復したり、あるいは異常な症状という警告ランプを点滅し続けなければならないような劣悪な体内環境を改善するのも、全てそれぞれの身体が持っている自然治癒力や生命力のなせる業であって注射や薬ではないのです。

本当の健康を取り戻すためには、必要かつ最適な応急的治療法に加えて、正常に機能する防御システムや旺盛な自然治癒力や生命力を回復させるためにも、正しい健康法や養生法は欠かすことの出来ないものだと言えます。

 

自分の体に黄信号や赤信号の灯っている人、すでに病気のある人、今からでも遅くはありません。これから先の長い人生を、苦痛に満ちたものにするのも快適なものにするのもそれぞれの自由ですが、できればより快適なものにするようにすでに身につけてしまった悪い生活習慣を改める努力をしてみましょう。

 

病気の根本原因とその解決

 

病気の真の原因は、心の歪み(ストレス)であると言われています。その心の歪みは、長い年月を経て習慣化し肉体的歪みに転化していきます。身も心も不自由な状態となるのです。この状態を病気と言っています。(ストレスとは、心の歪みのことです。日常生活の長い時間の経過によって生じてくる歪んだ思考パターンの塊は、その繰り返しによって力を得て、偏った行動パターンへと発展していきます。)

このようにして、病気になるような生活習慣が形成されていくことになるのです。

 

日常生活の中で出来上がった個人の「心の癖(心の歪みの習慣化)」と「行いの癖(悪い生活習慣)」が病気の源になっていると言うことなのです。別の言い方をすると、心の歪みストレスは、心のバランスを失った状態であり、それに従って現われる行動も「正常ではないアンバランスな状態=〈気〉が乱れた悪い行動症状」となります。その繰り返しがいずれ病気をもたらす原因となるのです。

 

また、心や身体のアンバランスな状態は、不注意や散漫、精神の不均衡として事故や傷害事件をひき起こしたり、社会的地位を失うような行為へと発展しかねないのです。

このことは、自分の個人的な生活の中で作り上げてきた原因と自分の先祖や家族から受け継いだ遺伝や生活習慣の2つに分類されます。

 

①病気や生活の中で起こる様々な現象は、「上述のような経過を経て、自分で選んで自分でつくりあげてきた

 結果の出来事、現象である」ということが言えるもの。

②もうひとつの原因は、遺伝的なもの、つまり自分の何代も前から伝承されてくる「心の癖・行いの癖・体

 質」が病気の原因となるもの。

この2つです。

もちろん悪いことばかりではなく、良いものもたくさん伝承されているわけです。

しかし、それを恨んでみても、またあきらめてしまっても何も変えられないでしょう。それを正し、治すのは、現在の自分であり、それを実行しようとする気持ちでしかないのです。

 

「未来に伝わらないよう打ち消す努力とその行為」と「本気で良くなろうと思う心とその良くなるための力をくださいと祈る心」が最大の解決策であろうと考えます。

気功の教えの中に、「気が行くところには、心が伝わり、心が行くところには、気が伝わる」という意味の教えがあります。この考え方をいかに実践するかが気功の成果を決定づける大きな要素となるのです。

 

上述のような事柄を自覚することなくして、病気の予防も治療も効果を発揮する事は出来ないでしょう。

病気の根本治療や悪しき現象を改善する第一歩は、ここから出発し、「気」の乱れを正して、「健康な生涯」を送る方向に角度を変えていくことです。

 

生活とは、選択行為の連続であるといわれていますが、正常な思考状態で選択行為ができるようであれば、多くの問題は解決されます。

しかし、現在の生活習慣病の現状や人類が抱えている諸問題を見るかぎり、私たちは、一人一人が身の回りの生活環境を完璧には改善出来ないまでも、出来る限り改善していくしか選択肢はないのではないかと思われます。

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