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生活習慣病と食事
生活習慣は、あらゆる病気に関係しており、悪い習慣は、病気を進行させるように働くわけで、その意味では、全ての病気は、生活習慣病の要素を含んでいます。
医学が今ほど発達していない昔は、病気の治療の中心は、「養生」にあり、養生こそが治療の中心と考えられておりました。
その意味では、現代も、全く基本は変わっていないのですが、効き目のシャープな薬が発達すればするほど、本来の養生をないがしろにする傾向が見られます。
生活習慣病は、そんな人類への警告のための病と言えそうです。
ここで、もう一度、生活習慣病についての考え方を復習してみましょう。
人間が長年生活をしていると、その暮らしぶりや生活習慣・家庭環境・社会環境などさまざまな因子が、一人ひとりの体に悪影響を及ぼしはじめます。それに遺伝的要因がからみ、さらに加齢による老化現象も加わって、いつのまにか私たちの体をむしばんでいきます。
では、病気を発症させ、その進行に影響を及ぼす生活習慣とは何を指すのでしょうか。
(1)食習慣 (2)運動不足 (3)ストレス (4)喫煙 (5)飲酒
この五つが生活習慣病を発症させ進行させていく大きな要因です。
つまり、アンバランスな食事の内容と不規則な食事時間、運動不足、ストレス、さらに喫煙と過度な飲酒が、この病気と隣合わせの生活といえます。
生活習慣病は三十~四十歳代に急増します。
しかし近年は発症年齢が低下し、若い人、子どもにもその徴候がみられるようになってきました。
これも食生活の変化、運動量の不足などが原因となっています。
あなたの生活習慣が病気を進行させていないか、もう一度見直してみましょう。
つまり、「なぜ生活習慣病が増えているのか?」と問われれば、生活習慣病が増加した背景には、現代の豊かな日常生活が大きく反映している訳です。豊かな食生活は食べ過ぎでなくても、摂取エネルギーが過剰となってしまうのです。
その一方で慢性的な運動不足により、消費エネルギーが減少し、この極端なアンバランスが生活習慣病を発症させる要因となっています。また、ストレスの増大も大きく影響しています。
その意味で、便利になりすぎた現代での運動について考える必要がありますが、今回は食事について、見てみようと言うわけです。
皮肉なことに、生活習慣病においては、現代の豊かな食生活がその発症の最大のリスクと言えます。
家庭の食卓やファースト・フードなどで出されるハンバーグやカレーライス、スパゲッティーなどは、現代人がよく食べる食事です。
戦後の食生活の欧米化は、外食だけではなく、家庭にまでも進出しています。しかも、これらは高カロリー、高脂肪食(特に動物性脂肪)の代表で、肥満をうながすだけではなく、高脂血症や糖尿病などを発症させて動脈硬化を促進、さらには心臓病などを引き起こす原因となるのです。
しかも、これらの料理は、子どもが好んで食べるものなので、子どもの健康にも大きな影響を与えており、生活習慣病の低年齢化につながると言われています。
また保存食の多用に伴う塩分の取りすぎも指摘されており、塩分は高血圧を助長し、動脈硬化を促進するので注意が必要です。
つまり、生活習慣病予防の重要なカギをにぎっているのは、食生活であり、毎日食べる食事は生活習慣そのものと言えます。その食事が不規則だったり、栄養が偏れば、確実に健康に悪影響を与えます。
以上述べた現代の食事の問題点を考えた中で、ここで簡単に生活習慣病予防のための食生活改善のポイントをあげますと、
《食生活のポイント》
1.食品をバランス良く摂る
健康を保ち生活習慣病を予防する上で、たんぱく質やビタミン、ミネラルなどの栄養素を十分に摂るこ
とが大切です。毎日の食事は、主食と主菜、副菜、汁物などをそろえ、調理に使用する食品の数は、1
日30食品を目標に食品をバランス良く摂るようにします。
2.腹八分目を守る
食べ過ぎは肥満の原因になり、肥満は糖尿病や動脈硬化症、心臓病などの誘因になります。
特に、甘いものに注意!(砂糖は一日50g以下に)
3.薄味を心掛け、塩分の摂り過ぎに注意する
取り過ぎは高血圧症ひいては脳卒中や心臓病、胃がんなどの原因になります。
醤油、味噌、塩などの調味料の使いすぎに注意! (塩分は一日に10g以下、出来れば8gに)
4.動物性脂肪を摂り過ぎない
動物性脂肪の摂りり過ぎは、肥満、動脈硬化症、心臓病、大腸がん、乳がんなどの原因になります。
肉の脂身やラ-ドなどは控えめとし、植物油や青背の魚などを多く摂るようにします。
5.ビタミン類を十分に取る
色の濃い野菜や果物を多く摂っている人はがんにかかりにくいことが分かっています。体の調子を整
え、活力を保つ上からも十分に摂りましょう。
6.食物繊維を十分に取る
食物繊維は、
① 腸内で作られる発がん物質を体外に排泄する。
② 糖質や脂肪の吸収を抑制し肥満を予防する。
③ コレステロ-ルを低下させる。
など生活習慣病を予防する上で役立ちます。
野菜、海藻、きのこ、こんにゃく、果物、いもなどは十分に摂るようにします。
また、ご飯やパン、めん類などの穀類や豆類なども毎日一定の量を摂るようにしましょう。
7.カルシウムを十分に取る
お年寄りの背中や腰が曲がるのは、老化の一つとされてきましたが、骨粗しょう症という病気であるこ
とが分かりました。
予防には、若いうちから牛乳や小魚、海藻、豆腐、緑黄色野菜などを十分摂るようにします。
8.糖分は控えめに
菓子類や清涼飲料の摂り過ぎはエネルギ-の過剰摂取を来たし、肥満の原因になるので摂り過ぎないよ
うにします。
9.1日3食を規則正しく
朝食の欠食は必要な栄養素が不足するだけでなく、肥満の原因になることが分かっています。朝食も含
め、規則正しく食べるようにします。
10.外食は1日1回以内に
外食料理は、好きなものやおいしいものに偏りがちになり、栄養のバランスを乱す原因になります。
栄養のバランスを考えて料理を選び、外食は1日に1回以内にします。
また、外食料理で不足する食品を夕食などで補うようにしましょう。
これらのほかに、食事はよく噛んでゆっくり食べる。
禁煙と節酒を心掛ける。
活動的な生活を心掛け、体力の維持と肥満の予防に努める。
なども生活習慣病を予防し、健やかな人生を送る上で大切な事柄です。
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